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拙作 ぬくみ温泉繁盛記 第一拡張 開業支援 のデザイナーズノートです。

ぬくみ温泉_第一拡張_デザイナーズノート1

おかげさまでぬくみ温泉繁盛記シリーズがボドゲーマさんの直近売上ランキング4〜5位になれました(2020/11/17現在)。

 

感謝の気持を込め、デザイナーズノートを書いていきたいと思います。

基本セットのデザイナーズノートと違い、今回は制作の経緯やボツ案などを交え、ムダ話を多めにお届けします。

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制作の経緯

端的に言うと、わたしがチョロかった からです。

春ゲムマのECサイト展開後は、遊んでくれたみなさんが、レビューを書いてくれたり、ブログ記事を書いてくれたり、得点シートを作ってくれたりしていました。

フツフツと制作モチベーションが溜まっていた状態だったんですね。

とどめとして、ささみ企画さん(@sasamikikaku)がめちゃくちゃやりこんでくれて、1〜2週間かけて400点超えルートを開拓してくれたレビューを上げてくれました。

攻略系の記事大好きマンなので、制作モチベーションが限界突破です。

第一拡張を楽しんでいる方は、基本セットを楽しんでるぜアピールしてくれた皆さんに感謝しましょう。

モチベーションが高まったので、出すか決めないまま作り始めました。

モジュールC 追加助っ人

最初は軽い気持ちで 助っ人カード増えたら、それだけでたぶん楽しいよね と思って助っ人カードを考えました。

アグリコラの拡張デッキのように、プレイするカード増えるだけでも楽しいんじゃないかな、という考えです。

(アグリコラの拡張デッキやったことないので、この考えがあっているのかは自信ありません)

思いつく限りの助っ人カード効果をバーっと書き出しました。

カード効果を考えるのが苦手な人は、思考垂れ流しコーナーの4〜6あたりが参考になります。たぶん。

考えたあとは、以下の流れで進めました。

  1. 記述方法が違うだけで実質同じ効果や似てるカードを間引く
  2. ぶっ壊れに強いカードを抜く
  3. どの効果をどの助っ人に割り当てるか整理
  4. 割り当て先がない効果を捨てる
  5. 良い感じにハマる効果がない助っ人の効果を新しく考える
  6. 完成

第一拡張の助っ人カードを加えると、枚数が多くなって引き運の要素が強くなります。

引き運を少しでも緩和するため、第一拡張のカードパワー分布は抑えめに設計しました。

基本セットと比較すると、第一拡張のほうが「このカードが役に立つタイミング少なすぎるでしょ!」のカード枚数が減っていると思います。

あと 拡張版を入れたら点数は若干伸びるようにしたほうがいい とも思ってます。

なので、第一拡張のカードパワー平均値は意図的に基本セットより若干底上げしてあります。

閑話休題:助っ人カードのボツ案

ぶっ壊れに強いカードとして、印象に残っているボツ案。

詐欺師・四 人気点 -30 あなたのお支払いフェイズをスキップする

バカっぽくて入れたかったんですけど 1R目にプレイしたら勝ちが確定する くらい強かったので、泣く泣く抜きました。

後半に引いたらプレイされないカードなんですけど、ちょっとバランスブレイクっぷりが許容できませんでしたね。

使ってみたい方は、下のブランク助っ人カードをカラー印刷して、書き込んで使ってみてください。

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支払いがないと、拡大再生産の加速力がすごいです。

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モジュールB ラウンドアクションのランダム化

ラウンドごとに追加するアクションをランダムにする案は、基本セットを作成している段階からありました。

ただ、以下理由により基本セットでは見送りました

  • ラウンド数の管理を、ラウンドカード裏面で行っている
  • ゲーム展開がシステムで制御しづらくなり、プレイヤーの負荷がコントロールできない

ぬくみ温泉_第一拡張_デザイナーズノート6

拡張版では、基本セットのラウンドカードを使えば、ラウンド管理ができます。

拡張版だし、基本セットより多少は難しくなってもよさそうです。

カード印刷だけで実現できるので、ついでにラウンドアクションのランダム化を実装することにしました。

ぬくみ温泉繁盛記は、拡大再生産ゲームです。

なので 序盤は資源を獲得して基礎を作りたく、終盤は得点行動を取りたいゲーム になっています。

ぬくみ温泉繁盛記の内容で具体的に説明すると、序盤は木材や卵などの資材獲得アクションが増えるとうれしく、終盤は施設の建設やあまった資材の売却アクションが増えるとうれしいです。

このあたりの流れは基本セットのラウンドカード群を眺めると、なんとなく伝わるかと。

ぬくみ温泉_第一拡張_デザイナーズノート4

ゲーム展開を制御するため 1〜3Rの終了時にめくる用の山札4〜6Rの終了時にめくる用の山札 をそれぞれ用意しました。

各山札は、4枚ずつカードを用意してシャッフル。上から3枚を各ラウンドの終了時にめくるシステムです。

 

ゲーム展開の制御はできたんですが「山札を2つ作って、それぞれシャッフルするのがめんどくさい」とテストプレイで意見が出ました。

また 「1〜3Rの終了時にめくる用の山札」を4枚すべて引いてしまって「4〜6Rの終了時にめくる用の山札」を2枚しか引かないケース も発生しました。

準備の簡略化と、手順違いを減らすため、ランダムアクションの山札は1つにしたほうがよさそうです。

ただ、そうするとゲーム展開の制御ができません。

どーしよーかなー、とグルグル考えていたんですが 資源獲得と施設建設を1枚のカードに同居させるアイデア を閃きました。

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序盤にカードがでたら資源獲得が使われますし、終盤にでたら施設建設が使われます。

また、資源獲得にお金をつけることで得点行動も兼ねるようにしました。

どのタイミングで出ても腐らないカードができたので、山札を無事に1山にできました。やったぜ。

閑話休題:ラウンドアクションのボツ案

連続建設 空いている建設アクションを2つ選び、それぞれの効果を発動する

施設つくるのが楽しいので、たくさん作れるように入れたカードです。

菜園、いけす、遊技場あたりの自己増殖が得意な施設がエラいことになりましたね。

16枚プレイしたあと 詐欺師・壱 を撃って8枚ドロー

連続建設で遊技場と菜園を建設

遊技場 / 日本庭園 で遊技場を建設

次ラウンドの助っ人ドロー + 2

ソロプレイなのにタイルが足りなくなるレベルで施設が建ったので、ボツにしました。

使ってみたい方は、下のブランクアクションカードをカラー印刷して、書き込んで使ってみてください。

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うまく回ると、1Rの間に施設が3〜4つ建ちます。

モジュールD 追加個人方針

助っ人カードを増やすことは決まっていたので「せっかくカードを印刷するなら、カード印刷で対応できるところを対応しよう」と考えました。

個人方針カードは 初心者が迷わないように いれてあります。

ただ、リプレイして慣れてくると この目標?今回は違う気分だよ と思うこともあります。

「選択権がない」状態は自己責任感がなく、納得感を得にくいです。

そこで慣れてきた方には「2枚くばって選ぶ」選択ルールが採用できるように、追加個人方針カードを同梱しました。

4人に2枚ずつ、あればいいから基本セットとあわせて合計8枚あればいい計算ですね。

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モジュールA 開業支援

もっとも難航したモジュールです。

モジュールB〜Dができて「だいたいできたかなー」と考えていたところ、急遽追加することになりました。

第一拡張のテストプレイを初めてやってくれた人から プレイ感があまり変わらないですね と感想をもらったからです。

素直な感想だと感じたので プレイ感が変わる ようにモジュールを入れることにしました。

 

で、ここから迷走します。

イロイロ試行錯誤しますがうまくいきませんでした。

影響の少ないシステムを追加すると、ただ冗長になるだけで、めんどくさくなります。

かといって、影響の大きいシステムを追加すると、ゲームが壊れて、バランスが悪くなります。

 

行き詰まった気がしたので、インプットが足りないのかなーと思い、デジタルゲーム向けのプランナー本を何冊か読むことにしました。

求めていた答えが書いてあった本です。

テンポが変わると、プレイ感は変わる ようです。

同じジャンプアクションのデジタルゲームでも じっくり考えて、正確にジャンプするゲームなるべく早くジャンプするゲーム かで違いますよね。

つまり、そういうことです。

 

本を読んで、求めていた答えだと直感したので「テンポを変えるにはどうすればいいか?」をテーマにシステムを構築しました。

ぬくみ温泉繁盛記に関するレビューを読んでいると 静かな立ち上がりから、最終的に豪快に伸びる などの評価があります。

静かな立ち上がり」を「ちょっとだけ派手」にするだけで、序盤から展開が動くし、テンポを変えられるように思えました。

オーディンの祝祭の収穫拡張でも資源タイルの影響が一番大きい場面は序盤ですし、テラフォーミングマーズのプレリュード拡張(やったことはない)も同じ答えにたどり着いている気がします。

方針として合っている気がしたので、その方向に舵を切って検討することにし プレイ感があまり変わらないですね と言ってくれた人にお願いして、テストプレイのリベンジマッチをしてもらいました。

結果は上々だったので、モジュール内容の大枠が確定しました。やったぜ。

開業支援モジュールは、今回の拡張版のメインを張れる変更点だと思っています。

拡張版としての完成度が一気に上がったので、テストプレイって大事ですね。

まとめ

ぬくみ温泉繁盛記 第一拡張 開業支援 のデザイナーズノートでした。

助っ人カードだけ増やせばいいやろ と軽い気持ちで始めた拡張版の製作は「せっかくだから気になるところを直していこう」と考えたら、気づいたらモジュールが4つある拡張セットになりました。

出すか決めないで作り始めたんですが、気がついたら出してましたね。見切り発車がすごい。

追加助っ人カード以外に、開業支援や追加したラウンドアクション、ドラフト制個人方針はそれぞれ評判いいみたいなので、入れてよかったと思っています。

「初めての人がいるから、今回は開業支援は抜こう。助っ人カードは拡張版はいっててもいいかな。」など、プレイヤーが自由にカスタマイズできる仕組みにした点も気に入っています。

 

思ったよりも、長い記事になりました。

この記事を読んで ぬくみ温泉繁盛記 第一拡張 開業支援 をお買い上げいただいた皆様が楽しんでいただけたら幸いです。

また、ボードゲームを制作している皆様の参考に少しでもなればとてもうれしいです。

 

以上、いまも出すか決めてない第二拡張をテストしてる工藤がお届けしました。

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