自作ボードゲームの販売にあたり、ボードゲームの化粧箱をデザインしました。
そのときの思考メモを残します。
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目次
箱の役割を考える
作成したボードゲームをゲームマーケットで売る前提で考えます。
ゲームマーケットでの箱の役割を考えましょう。
ゲームマーケットの来場者は「事前情報を調べてくるガチ勢」と「事前情報なしにくるエンジョイ勢」の2種に分類できます。
アンケートをとったわけではないですが、前者のガチ勢より、後者のエンジョイ勢の方が圧倒的に多いと思います。
エンジョイ勢をターゲットに考えてみましょう。
- 会場を回る
- 気になったゲームを手に取る
- 説明を読んで検討する
- 試遊出来るなら遊ぶ
- 購入する
エンジョイ勢の購入までの流れは上記です。
ポイントは2と3ですね。
ゲームを購入してもらうためには「興味を持ってもらい」「手に取って検討してもらう」必要があるんです。
「興味を持ってもらい」「手に取って検討してもらう」ために何が必要かをデザインに落とし込んでいきましょう。
箱のオモテ面の役割を考える
箱のオモテ面は「興味を持ってもらう」ために使います。
会場内で興味を持ってもらえるデザインは以下の通りです。
- 箱の装飾がオモシロい
- インパクトのある一枚絵
- 好みの絵柄が描かれている
- シンプルでスタイリッシュ
上にいくほど興味を持ってもらえる確率は高くなると思います。
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箱のオモテ面の実例を分析する
箱の装飾がオモシロい
ボードゲームじゃなさそうな見た目をしていると興味を持ってもらえる可能性が高いです。
見た目がカレールゥの「ギリギリカレー」やカニの発泡スチロール「カニの行進」は目を引きます。
お知らせ2/2
6日(日)のゲムマにて新作「カニの行進〜遅すぎた覚醒〜」を販売いたします。カニの大量発生の最中、かしこいカニとなり、理性を失って次々と道路に飛び込む仲間のカニたちを助ける協力型ゲームです。
下記予約受付中ですのでぜひご予約ください!https://t.co/vkTevHaL95#ゲムマ2018春 pic.twitter.com/IzyfIQiBp2— Azb.Studio▲夏コミ日 東X 40a (@azb_studio) 2018年5月2日
インパクトのある一枚絵
インパクトのある一枚絵は「え?なに?」となるので目を引きます。
「ハコオンナ」は目を引きますね。
好みの絵柄が描かれている
魅力的なイラストが描かれていると手に取ってもらえる可能性があがります。
ちなみにわたしはドット絵が好きなので「8ビット モックアップ」は刺さりました。
キャラクターなどがいて、世界観をアピールできるなら有用なデザインですね。
美少女が売りのゲームとかは全力で推すといいです。
シンプルでスタイリッシュ
他と比べて確率は下がりますが、シンプルでスタイリッシュなデザインでも手に取ってもらえる可能性はそこそこあります。
コミュニケーション系のゲームには向きませんが、頭を使う系のゲームとは相性がいいです。
オモシロい装飾やキャラクター絵が用意できない場合でも選べる選択肢ですね。。
箱のオモテ面をデザインする
作成したゲームはコミュニケーション系のゲームではないし、頭を使う系のゲームなので「シンプルでスタイリッシュ」方向を目指しました。
精一杯「シンプルでスタイリッシュ」にした。。つもりです。
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箱のウラ面の役割を考える
ウラ面は「手に取って検討してもらう」ために使います。
デジタルゲームに慣れた消費者はオモテ面で雰囲気を確認し、ウラ面の説明を読んで内容を確認します。
ウラ面でゲームの内容がわかるように説明しましょう。
箱のウラ面をデザインする
じっくり読んではくれないため、パッと見でどんなゲームか伝わるようにデザインします。
こちらはわたしが実際に「カタンの開拓者」をお手本に作った第1版。
ちなみにカタンのウラ面はこちらです。
ゲーム会で意見を求めたところ、以下のような意見が出たので反映しました。
- どういうゲームかパッと見、わからない
- ボードを使うカードゲームって既にありそうじゃない?
- チーム戦の説明に紙面を使いすぎじゃない?
- セールスポイントはどこなの?
- ゲーム会で使うのに説明が大変かどうか知りたい
こちらが指摘事項に対応した修正版です。
イラストを増やすことで直感的にイメージしやすくデザインしました。
デザインに関しても素人だったので、このタイミングで本も買って勉強し、細かいところも整えました。
どうしたらキレイなデザインになるか(プロっぽく見えるか)がまとまっているので、素人が自分でデザインするなら一読をおすすめします。
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具体的なデータ作成作業
使用したアプリ
入稿データは無料で使えるお絵かきソフト「FireAlpaca」を使用しました。
FireAlpacaを選んだ理由は「使ったことがあったから」です。
正直、文字入れや図形の作成が大変なので箱の制作にはあまりおすすめしません。
Illustratorを持っている方はIllustratorを使いましょう。
あまりお金をかけたくない方はInkscapeがおすすめです。
無料でIllustratorと同じような機能が使えます。
要求スペックが若干高いので、使えるかどうかはダウンロードして試してみてください。
わたしは古いMacで作業していたためメモリ不足でInkscapeがまともに動きませんでした。
作成データ
依頼する印刷所の規格にあわせてデータを用意しましょう。
印刷所に問い合わせたらサイズやデータ形式などのテンプレートが手に入るので、あわせて作ります。
ちなみにわたしは萬印堂さんに依頼するため350dpiでPDFデータを用意しました。
350dpiは350ドット・パー・インチの略です。
10cm x 10cmのデータが欲しいなら 10cm / 2.54inch x 350dot = 1378dot なので 1378dot x 1378dot のPDFデータを用意することになります。
まとめ
自作ボードゲームの箱のデザインに関するお話でした。
「ゲームは中身さえできれば終わり!」と思っていたんですが、売ることを考えると箱についても考えないといけないことが多くて大変でした。
この記事が自作ボードゲームを販売したい人の参考になれば幸いです。