趣味が ボードゲーム作り になってきた工藤さんです。
自作して頒布したゲーム(DECK THE TACTICS)の交流会を開いたら「自分もゲームマーケットに出展したい」という方から、質問をいくつかもらいました。
「自分も出展してみたい!」って人の役に立つかもしれないので、ざっと回答をまとめます。
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目次
はじめに
回答者はゲームマーケットに1回出展したことがあるボードゲーム制作者です。
ゲーム制作は一人でやってます。
ベテランの人からすると、見当違いの発言もあるかと思うので、生暖かい目で見守りつつ優しく指摘してください。
制作スタンスとしては、他に本業があって趣味でゲーム作りをしています。
ゲーム作りでお金儲けとかはあまり考えてないので、お金面はガバガバです。ご容赦ください。
もらった質問と回答
Q.DECK THE TACTICS の製作期間ってどれくらいですか?
2018年の1〜2月くらいに作り始めて、2018年の夏くらいに入稿したので半年強ですかね。
2017秋ゲームマーケットに行って、そこで「自分でもゲーム作りたいなー」と思ったんです。
で、ゲームの案を考えて捨てて、考えて捨ててを繰り返して1〜2月にDECK THE TACTICSの原型ができました。
案を考える時間を含めると半年より長いですね。
DECK THE TACTICSのシステム自体は1日で作って、そこからテストプレイを繰り返してブラッシュアップしました。
Q.ゲームのアイデアって何個くらい出しました?
ちゃんと数えてないですが、たくさん出しました。
頭の中で「こんなゲーム面白いかな?」を考えて、ちゃんとゲームとして成り立つか検討します。
で、検討した上で成り立ちそうなら最低限テストプレイできる状態にしてテストプレイします。
わたし、だいたい1日1個ペースで「クソゲー」ならテストプレイできる状態に持っていけるんです。
「面白いゲーム」じゃなくて「クソゲー」です。
「クソゲー」をたくさんテストプレイして「面白くなりそうかどうか」をさっさと判定するってスタイルで作りました。
「ゲームのアイデア」が、頭の中で「こんなゲーム面白いかな?」の段階ならめちゃくちゃ出しました。
テストプレイした「クソゲー」の段階なら、数えてないですけど30〜50個くらいですかね?
平日3日連続で自作ゲームを0ベースからテストプレイまで持っていった。
通勤時:ルールやカードの内容を考える
昼休み:テストプレイ用に印刷データを作る
退勤時:コンビニで印刷
帰宅後:テストプレイ1日目、2日目のはボツったけど、3日目のは製品化の芽がありそうなのでもう少し詰める。
— 工藤さん @ ゲムマ秋おつかれさまでした (@kudousansan) 2018年10月25日
DECK THE TACTICS 検討時ではないが、1日1個ペースで「クソゲー」をつくる筆者
一日目の作品。
冒険者を雇って各種クエストをこなすワーカープレイスメント。MMORPGのお使い・討伐クエストに冒険者を派遣してお金を稼ぐ。
対人戦感うすすぎてボツ。シムシティやつてるみたいや。 pic.twitter.com/e2rM6LB7PT— 工藤さん @ ゲムマ秋おつかれさまでした (@kudousansan) 2018年10月26日
最低限、動けばいいのでExcelに文字入れて、印刷してカット。手書きがいいならそれでもいい
二日目の作品。
3×3のマス目で戦う二人用カードゲーム。どうぶつしょうぎ+遊戯王。お互い3体までのモンスターを場に出して、移動したり攻撃したりしあう。
ゲームボード用意しないとプレイアビリティ低いのでボツ。ボードは原価があがる。— 工藤さん @ ゲムマ秋おつかれさまでした (@kudousansan) 2018年10月26日
三日目の作品。
自陣3マス、相手3マスで戦うカードゲーム。カードを並べて殴り合う。ハースストーンのカラザンのチェス戦が近い。マス目の概念はバトルラインのように中央にマーカーを並べることで実現。
遊んでみたら行けそうだったので、もう少し詰める。 pic.twitter.com/sCkBGZCrBu— 工藤さん @ ゲムマ秋おつかれさまでした (@kudousansan) 2018年10月26日
クソゲーをたくさんやると、たまに芽がでる
Q.テストプレイ会って出ました?
実はテストプレイ会って出たことないです。
テストプレイは知り合い(ボドゲ初心者〜初級者)に頼んで、つきあってもらいました。
ゲムマ出展後に、自分で1回だけ主催しましたが「ボドゲカフェに来たお客さんを捕まえてテストしてもらう」っていうラフプレイだったので、一般的なボードゲーム製作者さんがやってるテストプレイ会とは違う気がします。
本日、ロサさんで相互テストプレイ会でした!
結果的に、一般のお客様を巻き込んで試作品のテストプレイをしまくるっていう素敵な会でした!
いろいろと至らぬ点もありましたが、参加者一同全体としては満足度高めだったかと!
いい感じに対応してくださった@matsu06222さんに感謝します!
— 工藤さん @ ゲムマ秋おつかれさまでした (@kudousansan) 2018年12月29日
Q.DECK THE TACTICS のテストプレイってどれくらいしました?
めちゃくちゃたくさんやりました。
ちゃんと数えてないですが、計算すると200〜400回くらい?
1対1で1戦15分だとして、休憩なしで6時間やると24戦できます。
長いときは9時間ぶっ続けだったりするので36戦ですね。
「1日中テストプレイしてる」みたいな日が月1〜3回あったりしました。
それ以外に、平日もヒマを見つけて1〜3戦やってましたね。
正直、自分でも引く回数やりました。
【TCG風ゲーム自作】
9時間休憩なしタイマンテストプレイ結果。
・モンスター同士は相打ちが無いと先攻無双になる
・大味にバランス整えると楽しい
・4列にすると配置の自由度が上がって戦略性が上がる
・5列は広すぎてフィールドが意味をなさない
・HPは増やすと「HPで受ける」ができて戦略性が上がる pic.twitter.com/5BuIYbJbu0— 工藤さん @ ゲムマ秋おつかれさまでした (@kudousansan) 2018年11月10日
これは別ゲームだが、DECK THE TACTICSも似たような状態だった
基本的にテストプレイは、やればやるほど「面白いゲーム」になる可能性は上がると思うので「何回やったらいいか」って数字はないと思うんですよね。
テストプレイのフィードバック全部に答えちゃうと「マイルド過ぎて面白くないゲーム」になるかもしれませんが、軸を持って取捨選択すれば「面白いゲーム」になる可能性は上がると思います。
「お金儲けしたい」と考えると「いかに効率よくゲームを出すか」があると思いますが、趣味で作るなら「自分が納得するまで」やればいいと思います。
1〜2回のテストプレイで納得できるモノができたならそれでもいいかと。
ちなみにわたしはテストプレイたくさんしないと納得できないタイプなので、テストプレイの数を稼げるように1戦30分くらいの中量級ゲームまでしか作らないです。
どこかでがっつり拡張版のテストプレイしたいなー。
作ったゲームが面白くなるかどうかは、テストプレイの数に「正比例はしない」けど、「正の相関はある」と思うんよ。
「テストプレイ体験者数」も「正の相関がある」と思う。— 工藤さん @ ゲムマ秋おつかれさまでした (@kudousansan) 2018年12月4日
Q.デザインの外注費っていくらかかります?
ぜんぶ自分でやったのでわからないです。
デザイン未経験でまったくわからなかったので ノンデザイナーズ・デザインブック を買って自分で1から勉強してデザインしました。
デザイン外注するにも「デザインがどれだけ大変か」がわかってから外注しないと、いい依頼だせないと思うので勉強も兼ねて。
Q.イラストってどうしたんですか?
フリー素材を組み合わせて「いかにそれっぽく見えるか」を考えて組み合わせました。
フリー素材元は DECK THE TACTICS のふたを開けると、側面に書いてあります。
「いらすとや」はシルエット化すると、利用規約に引っかかりそうだったのでメールで問い合わせて問題ないか確認しました。
Q.ゲームの宣伝ってどうしました?
特にゲーム制作者の知り合いとかもいなかったし、どうやるのが一番いいかわからなかったんです。
なので、とりあえず宣伝用のTwitterアカウント作って、宣伝することにしました。
ただ「宣伝用のTwitterアカウント」って誰も興味ないと思うんですよね。
ぶっちゃけ「無名の新人が自分の商品紹介するだけ」って誰からも相手にされないと思います。
「どうすればいいかな?」を考えて「バズらせて口コミで拡散すればいける!」と思って、バズを狙いました。
知らない人が宣伝するより、信用できる知り合いが紹介してくれたほうが明らかに宣伝効果高いので。
「どうやったらバズるか?」を考えて「人に伝えたくなるものはバズる」という結論に至り、どうすれば「人に伝えたくなる」か考えました。
考えた結果、1〜2ヶ月かけて「わかりやすい」と「ワクワク感」を全力で練り込んだ1枚絵(化粧箱・裏面)を作って、Twitter本文に「FFタクティクス」「サモンナイト」「遊戯王」と各クラスタに響きそうな文言をいれました。
宣伝戦略は予想以上にうまくいって RT:200超、いいね:400超 と無事にバズらせることができました。
そのタイミングで数人しかいなかったフォロワーも100人超えたので、大成功ですね。
ゲムマ2018秋に出す新作「DECK THE TACTICS」の箱裏。
カードを使ってFFタクティクスとかサモンナイトっぽく戦うゲームです。遊戯王好きの友人2名に試遊してもらったら休憩なしで7時間ぶっ続けでやってました。
カードゲーム好きならハマるはず!#でくたく #ゲムマ #ゲムマ2018秋 pic.twitter.com/ZrG15yCsGw— 工藤さん @ ゲムマ秋おつかれさまでした (@kudousansan) 2018年9月11日
Q.原価とか値段設定ってどんな感じにしました?
物品販売に関わったことなくて、よくわからなかったのでほぼ原価で売ってしまいました。
原価率80〜90%くらい?
派手に赤字でしたね。
ゲームマーケット出展代とか、制作ツールの費用、お手伝いしてくれるスタッフへの謝礼などなど、ほぼ持ち出しでした。
(`・ω・´)キリッ
ブースに飾る用のポスター届きました。
11/25(日)E70でお待ちしてます。#ゲムマ2018秋 #ゲームマーケット2018秋 pic.twitter.com/RDZWkZKxlh— 工藤さん @ ゲムマ秋おつかれさまでした (@kudousansan) 2018年11月23日
目印あったほうがいいかなってポスターを発注
スタッフにTシャツも作った
Q.ぶっちゃけ、どれくらい売れました?
ゲームマーケット2018秋の日曜だけ出展して90個くらい売れました。
100個作ったので、ちょっと余ったんですが、Twitter上で宣伝して通販を始めたら1日で余りも売れました。
DECK THE TACTICS | 工藤さんのお店 https://t.co/kCNw5bzmoi #booth_pm
店主になりました!!
みんなー、買ってねー!!!— 工藤さん @ ゲムマ秋おつかれさまでした (@kudousansan) 2018年12月3日
完売しました!
正直、こんなに早く完売するとは思いませんでした!ご購入いただいたみなさま、本当にありがとうございます!!!https://t.co/kCNw5bzmoi
— 工藤さん @ ゲムマ秋おつかれさまでした (@kudousansan) 2018年12月4日
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おわりに
質問してもらって回答した内容に、Twitter上での発言とかからめてまとめてみました。
改めて回答を見ると、テストプレイの考えとか原価率の話とか、商売として考えると色々と破綻してますね。
完全に採算度外視の趣味的な作り方です。
だれかステキな値付けの方法、教えてください。